介護つれづれ笑い(3)

ちょっと遠方に住む親の、認知症外来の付き添いの日。

診察室では、恒例(?)の認知症スコアのテストが始まりました。
先生が穏やかに問いかけます。

「今は令和何年ですか?」
「100から7を引いたらいくつですか?」

すると、うちの親は間髪入れずにひと言。

「知りません」
「もういいです」

……なんとも潔い返答です。

まるで学校のテストで、考える前に答案用紙をそっと裏返すような勢い。

その姿を見ながら、私は診察室の横で思わずクスッ。

きっと心の奥では、
「そんなの知らなくても、毎日ちゃんと生きていけてますけど?」
とでも言いたかったのかもしれません。

たしかに、令和が何年でも、100から7が引けなくても、梅干しの漬け方はちゃんと知っている。
塩加減も、干すタイミングも、長年の勘でわかってしまう。

人が生きていく知恵って、数字や年号だけじゃないんだなぁと、妙に感心してしまった一日でした。